食育プログラム詳細
ワクワクしなきゃ始まらない!
かつては料理に全く興味がなかった自分が、料理を教える立場に進むには、食に対する視点を変えるいくつかの経験がありました。このプログラムでは、そのような転機となる4つの体験を再現しています。通常、食育は「正しい食生活」に焦点を当てることが一般的ですが、ここではこの4つの体験を通して、広い視点から食を考え、ワクワクすることに焦点を当てた新しいアプローチを提供しています。
4つのステップ|進展の経緯
1 頭のストレッチ
固定概念に気づく
初めての海外生活で出会った新しい価値観は、日本の堅苦しいルールから解放し、食に対する興味を新たに芽生えさせてくれました。
2 インスピレーション
新しい視点から好奇心へ
NYでの生活で刺激された世界への興味から、異国への旅が始まり、世界の食の多様性を知ることは、食への好奇心を一層高めてくれました。
3 想像力のエクササイズ
クリエイトする楽しさを知る
世界の食が集まるNYでは、ラーメンにナンプラーをかけ、紅茶にスパイスを入れ・・。些細なことが、日々の食がずっとワクワクさせてくれることを知りました。
4 経験としての料理
料理から非日常を体験
初めて作った本格的な料理は、中東の豆コロッケ。料理は毎日の生活を、いつもよりエキサイティングにしてくれる、そんな料理の新しい魅力を知りました。
4つのステップ|事例内容
1 頭のストレッチ
私たちは朝食はしっかり摂るべきだとか、メイン料理には肉か魚が必要だといった食に関するある種の常識を持っていますが、これらは、育った環境や文化に影響を受けたもので、新しいアイデアを受け入れる妨げになることがあります。 でもこれらを取り除くのは想像以上に難しく、それを気づかせてくれるような体験を重ねることが必要です。私の場合は海外生活でしたが、ここでは、食文化の歴史を使います。例えば、アフリカ人奴隷がアメリカに渡らなければフライドチキンは生まれていなかったり、日本のカレーはインドではなくイギリスから伝わったといった歴史的な因果関係を知ることで、食に対する見方が広がり、固定観念に気づくことができます。
古今東西の食文化の歴史:
広がる新たな視点
各国の食文化は単独ではなく、世界とのつながりの中で形成されてきました。これを理解することは、固定概念に気付かせ、食に対する多様な視点を広げる一歩です。
2 ワクワクのインスピレーション
世界にはいろんな食文化が存在します。そんな異なる世界の食卓を覗いてみると、まだ知らない料理や食材、異なる食べ方など食の多様性に驚かされます。全てが口に合うわけではないけれど、その土地土地で違う美味しさを知ることはとてもエキサイティングで、美味しさの意味を改めて考えさせられます。こうして日常の生活圏外にある、知らなかった新しい料理や食習慣などに触れることで、食に対する知識や好奇心が深まり、食に対してワクワクした気持ちが湧いてきます。
世界食紀行:
各国の美味しい魅力
世界の各地には、未知の美味しさがたくさん隠れています。その中から今、注目の食文化にスポットを当て、短時間で一気に世界の魅力をお届けします。
カレーの旅:世界の味の
方程式を解き明かす
世界の至る所でカレーが見られるのは、植民地時代の歴史が絡んでいます。歴史の糸を解きほぐし、各地域の異なるカレーの味を解析することで、世界の味の方程式が見えてきます。
地図から学ぶ:
世界のスパイスの魅力
使いこなすのが難しいと敬遠されがちのスパイス。各スパイスの原産地から伝搬、主な消費地まで、地図上で点を結んでいくことで、理解が深まり、その魅力を身近に感じられるようになります。
3 想像力のエクササイズ
ワクワクしてきたら、想像だけでなく実際に様々な味を試してみたくなりませんか。食の素晴らしさは、自宅のキッチンで手軽に再現できるところ。料理はハードルが高くても、調味料や手元の食材を組み合わせて新しい味を楽しむことならどうでしょう。未知の味を自分なりにクリエイトする楽しさを味わってみてください。
|トピック内容例|
調味料やスパイス、トッピング、盛り付けなど、脇役となりがちな要素にスポットを当て、日常の料理を面白くアレンジするアイデアを色々と紹介します。いつもの料理が手軽に変化し、ワクワクする感覚を楽しんでください。
レベルI
1 トッピングで遊ぼう
トースト、目玉焼き、市販のスープなどいつもの料理にいろんなトッピングを乗せて、味をレイヤーすることの楽しさを知ります。
2 調味料をアレンジしてみよう
バター、醤油、オイルなど、手元にある調味料にスパイスや薬味を加えるだけで、調味料が一変し料理の味が深まります。そんな手軽にできる調味料の魅力を伝えます。
3 スパイスにチャレンジ|ビギナー編
基本のスパイスの手軽な使い方を覚えることで、古来から人々を魅了してきたスパイスを、身近で楽しむことができます。
4 新しい調味料にチャレンジ|ビギナー編
知っていると料理が面白くなる世界の調味料を、紹介します。まだ知らない未知の味に出会う楽しみを、シェアします。
5 食卓を楽しむ料理以外のヒント
料理は味だけでなく、組み合わせや、食べ方によっても、その美味しさや食べる楽しさが変わってきます。ここでは、そんな料理以外の要素で食卓をより楽しく、ワクワクさせる方法を紹介します。
4 経験としての料理
最終ステップは、料理への挑戦です。クリエイティビティが刺激されたところで、料理してみたくなったという人、是非トライしてみてください。大事なことは、「作らなくてはいけない」という使命感や、美味しさにこだわらずに、食材を選び、調理し、食べるという一連のプロセスを、自由に楽しむことです。結果それが他の誰からも喜ばれなくても、美味しくなくても、良いのです。 単調になりがちな毎日の食事に、こうした未知の新しい要素を取り入れることで、日々の食生活がずっと楽しくなる、そんな料理の魅力を味わってください。
|トピック内容|
ワクワクするような料理を3つのレベルに分けて紹介しています。
「食育終了後」では、この講座を修了した方へ、今後もワクワク感を維持するためのヒントを共有しています。
レベルI
1 ディップが主役
世界には野菜や豆をたっぷり使った美味しいディップがいっぱいあります。そんなパンを添えるだけで食事になる便利なディップを、マスターします。
2 いつもの料理をアレンジしてみよう
サンドイッチ、ハンバーガー、ピザなど、いつもの料理がトッピングやソースを変えるだけで、あっというまに新しい料理に。そんなアレンジのコツを紹介します。
3 サラダが主役
副菜的な存在のサラダですが、ここでは主役のサラダを学び、サラダの視点と魅力を広げることで、食事の選択肢を広げます。
4 食べ方が楽しいソーシャルな料理
ピンチョスやタコス等、友達や家族などソーシャルの場を盛り上げてくれる料理。そんな味以上に楽しいスタイルが魅力の料理を紹介します。
5 組み合わせるだけのスイーツ
世界中のデザートから、手間をかけずにとってもおいしいデザートを紹介します。
レベルII
1 世界の朝ごはん
誰もが大好きな朝ごはんは、世界の料理を探索するための理想的なスタート地点です。
2 スローな時間を楽しむスープ
コンソメで手軽に作るスープも良いですが、のんびりと時間をかけてコトコト煮込むスープの魅力も是非知って欲しいです。
3 手作り調味料の楽しさ
調味料は市販品というイメージがありますが、調味料こそ実は手作りしたいものなのです。そんな理由とおすすめの調味料を紹介します。
4 身近な食材で簡単多国籍料理
キムチ、ツナ缶、米など、身近にある食材で作れる料理のレパートリーを増やします。
5 新しいスパイス|中級編
知っていると料理に差がつく、おすすめスパイスの紹介とその使い方です。
レベルIII
1 世界の各国料理
アメリカ、メキシコ、中東・東地中海、スペイン、北欧、イタリア、インド、タイの調味料や簡単な料理を紹介します。
2 世界の雑穀
キヌア、そばの実、オートミールなど、いまいち使い方が分からない栄養価が高い雑穀を、美味しく食事に取り入れる方法を紹介します。
3 野菜を主役にしよう
野菜を主役とした料理と、野菜料理を美味しくするコツを紹介します。知れば知るほど、奥が深い食材です。
4 実は美味しい豆の食べ方
サラダやカレーなど、無理に料理に加える印象のある豆ですが、実は世界には、豆が主役の美味しい料理がたくさん存在します。自然な形で豆を使うことで、その魅力をより深く知ります。
5 アメリカの視点から見た日本食
アメリカの日本食は私たちの食べているものとは一味違い、手抜きのヒントでいっぱいです。自国の料理を新たな視点から学び、意外な発見を楽しみます。
食育終了後
1 私流の健康
人とは違った、私流のユニークな食へのこだわりや健康についてのアイデアを、シェアします。
2 これからのステップ
ここで学んだスキルを習得した人たちに向けて、これからの日常生活で学んだことをどのように活かせるか等、今後のことをお話します。
プログラムの特徴
- 料理苦手が始めた
料理を好きになるまでの過程に基づいているので、実践的で共感しやすく、日常生活に即した内容なので、学んだことを実際の生活で役立てやすい。 - ワクワクがゴール
食に対する規則ではなく、好奇心を育むことを強調しているため、食に対する新たな発見や楽しさを見つけ、継続しやすい食生活を築きやすい。 - ルールではなく視点
「こうしなくては」というルールを学ぶのではなく、新しい視点を得ることに焦点を当てるため、自分だけの自由な発想やアイデアが生まれやすい。 - アメリカ発
アメリカでの経験や情報を元にしているため、通常の日本では得られない新しいアイディアや料理の組み合わせに触れられやすい。